企業努力

2017/2/7(火)
今日も日中は可成り強い風が間断なく吹いていたが、今の時点では止んでいる。明日はどうかな?
所で、例の裸の王様(トランプ)が日本の自動車メーカーをこき下ろしているが、見当違いも甚だしい!
何故アメ車が売れないのか!? それは企業努力が全くなされていないから、の一言に尽きる!
私が在職中にアメリカの「ネオン」という車名の日本向け小型車を、時間を加速して耐候性を確認するという或る特殊な実験を行った事が有ったが、話にならない程の出来の悪さで、最初に点火系統の故障でエンジン始動不能を起こし、トランジスタ点火ユニットを3回交換(その都度の対作品だった…対策するという事は其の気が有るという事なのだが)したが短時間で始動不能となり、更にはクラッチが切れなくなりトランスミッションの変速操作不能【原因はクラッチのレリーズベアリングがグラスファイバー製という日本では考えつかない製品作り…結局クラッチの断接(ダイアフラムスプリングを操作する機能)が磨滅により作動しなくなったというお粗末な故障)】だとか、ホイルベアリングの発錆による固着で回転不能、等々で最後には自走不能となった為テストブースへの出し入れが出来なくなり実験中断、つまり其の実験は不合格という事になった。その様な事が国内の業界筋に情報として流れた為か、国内販売を断念した(今から15年以上前の事なので時効かな?)ような事が有った。この車については大々的な宣伝を行い、激安価格で販売をしようとしたが1年もしない内に日本の市場から姿を消したという事を思い出した。
もっと別な話をすると、今から40年以上前のオートマチックミッションは「ボルグワーナー」と「アイシンワーナー…アイシン精機」の2社製品しかなく、どちらも3段変速だった。国内販売している国内のメーカーで作る車の性能は徐々に高性能化して来て、オートマチックトランスミッションを搭載したスポーツカーが出始めたものの3段変速では物足りなくなりボルグワーナー社に多段変速機の開発を提言した所「現状で問題が無いので多段変速機の開発は不要」といった様な回答が有ったものの、特許の買い取りとか会社の買収等業界内での政策(妥当な表現かどうか分からないが)等から「ロックアップトルコン」をジャトコが開発してからアイシンワーナーの方でも同様の事を開発する等の競争が始まりA/T車の多段変速が実現したという事実が有る。
昔、自動車の対米輸出でアメリカと経済摩擦を起こして、対応策として日本がとった事にアメリカ製の部品を日本車に組み込むという案が一つの方策として実施され、その一環として私が在籍していた課にパワーステアリングのリザーバータンク(オイル用)の耐久性の確認実験の依頼が有り、或る試験車に最大出力回転と最大トルクを発生する回転域でエンジンを回して高速走行(発進停止を含む)を行ったが「オイル漏れ」が発生して「不合格」となった事もあった。
事程左様に輸出先のニーズに合わせた車作りが出来ない、というか、しないのがアメリカの自動車メーカーの姿勢なので、日本の道路事情に合わせる(狭い道、右ハンドル、低燃費)という事は念頭にないと言わざるを得ない、と断言出来る。
その様な中でヨーロッパの車が国内で売れているのはメーカーが努力した結果であり、相手先の法規に合わせた車作りをした結果なのではないのだろうか?
国内の全てのメーカーの開発部署には「海外法規」を専門としている課が必ずある訳で、此れが無いと海外への製品輸出は破綻をきたす事になる、という事をアメリカは知らないんだろうね?