駄目でしょう!?

2016/4/25(月)
さて、M 社の話。やった事は論外な違法行為で世間一般の会社で3度に上る不祥事は倒産か何処かの会社に吸収される筈なんだけど、かつての三菱財閥の亡霊に取りつかれているというかしがみついているというか、何とも訳が分からない不思議な会社。
昔の運輸省、今の国交省なんだけど、自動車メーカーが新車を世の中に送り出す時は「認証試験」を受けなければならず、その為には各メーカーの設計開発部門で認証実験を行い、対象車両を持ち込んで、試験官立会いの下で様々な試験項目をクリヤーして初めて認可が下り、デビューするという段取りがある。
世間一般で、カタログデーターの中の燃費は、あくまでもカタログ上の事で実燃費はそれよりも1割程悪いのが通念、と考えられていると思うが、これはテストコース内の最高の条件で得られた数値なので(ベテランのテストドライバーが携わっての事)、実際に街中を走る場合は、積載量、混雑具合、天候、季節、ドライバーの経験、アクセルの踏み具合等で大きく変化するものなので、本当の事を言えば、カタログデーターは購入する際の目安になるかどうか、と言った程度に考えて丁度良い位。
実験をする際は(燃費試験だけに限って言えば)、タイヤの有効半径、空気圧、プリロード(摩擦抵抗測定)、転がり抵抗(惰行試験)、外気温、湿度、風速、風向、地面温度、エンジンの吸気圧、水温、油音等が補正条件となり、台上試験で10モード試験(市街地走行パターンの再現)をして排気ガスの成分分析を行い、排ガス対策に適合しているかどうかを確認し、コース上で実際に走行をして運航燃費を測定して「リッター何㎞」等というデーターを収集する。と言う様な実験を行っている。
惰行試験のサワリだけを言うと、或る一定の速度で走行中に、ギヤをニュートラルにして例えば5㎞/h単位で速度が落ちて行く時間(秒)を測定するのが惰行試験というもので、アメリカあたりでは高速走行中に同じ様にギヤをニュートラルにして減速して行く時間を測定する方法をとっている様子だが、日本では認められていない試験方法。
惰行試験の際はタイヤの転がり抵抗だけではなく駆動系の摩擦抵抗、デスクブレーキの引き摺り抵抗他様々な要素が加わってくるので、燃費には大きく影響するものなのでメーカーの技術力が如実に表れる実にシビアな試験と言える。
海外では、というか輸出する際は海外認証試験というものが有り、例えばフランスのTIV(ティフと呼んでください)という試験があり、この際はフランスから試験官が来日してメーカーに出向き、ガラス製のメスシリンダーに似た物をガソリンのパイプラインに取りつけて何リットル消費したかを目視して承認するという誤魔化しが効かない方法で認証を行う、という事をやっているが、この時には計測器のセッティングに立ち会って不正が無いかどうかも見られるという内容(私が在職中に見聞きした事です)。
報道では、公道を走行して行う方法を検討、と有る様だが、実は40年程前まで各メーカーが実施していた事だったんだけど、現在とは交通事情が違うから出来た事で、現在では可成り危険で非現実的なのでは、と思います。
私自身、神奈川県の山間部で公道走行実験で或る車の運航燃費試験を行った事が有ったけど遠い昔の話で、本当に交通量が少ないもので国内のメーカーの殆どが行っていたのは事実です。
私の大先輩達は神奈川の海岸通りで燃費試験を行っていたが、その時は大勢の人が出て交通管理を行い、試験官同乗の一発勝負という今では考えられない事をやっていたという事を聞いております。
何だかまとまりと脈絡の無い書き方でしたが、M社は立ち直れるでしょうか? 個人的には駄目でしょう!?